ハムストリング(腿裏)肉離れ後に自信を持って競技復帰できていますか?
ハムストリングの肉離れはスポーツ活動中によく見られる怪我の一つです。
スポーツ活動への復帰は通常、怪我から数週間以内に達成されることが多いですが、
その後の競技者のパフォーマンスが損なわれる可能性があり、再損傷率も高いとされています。
これらの結果を改善するには、ハムストリング損傷の原因とメカニズムを理解し、
徹底的な臨床検査を行い、損傷部位への負荷を安全かつ効果的に進める必要があるとされています。
つまり、
ハムストリング肉離れから自信を持って復帰するためには
物理療法(電気など)や徒手療法(マッサージなど)だけを行うのではなく、
適切に運動療法をする必要があります!
では実際に一つの論文を参考に
運動療法についてご紹介いたします。

ハムストリング損傷のメカニズムは、
●筋腱ユニットに対する高負荷(受動的、能動的共に)
●適切な長さを超える筋腱ユニットの延長
●高速運動
とされています。
つまり、素早く伸ばされる運動なので、
高速ランニングやスプリントなどが多いとされています。
高速ランニングとスプリントへの漸増的な復帰は、多くのスポーツと一般的なハムストリング肉離れのメカニズムの基本であると考えると、リハビリテーションの最も重要な側面である可能性が高いとされています。

上記の図はランニング開始後のプロトコルです。
各ステージ毎に基準があり、基準をクリアすると次のステージに段階を上げます。
次にランニングに必要な運動についてです。
遠心性(伸ばされながら力を入れる)ハムストリングエクササイズは、高速ランニングに備え
低下した筋力と筋構造の欠陥(切れた筋繊維)に対処するためのエクササイズです。
遠心性エクササイズはリハビリテーション介入として頻繁に推奨されますが、
ハムストリング肉離れ後に「いつ、安全に導入するか」がすごく重要です!
下図は本研究が推奨するエクササイズの進め方です

もちろん遠心性エクササイズはハムストリング肉離れに対する一例にしか過ぎません。
これらのエクササイズに加えて様々な負荷をかけることで肉離れした組織が元の状態に回復すると考えられます。
当施設ではこれらの研究を参考に、
患部へのエクササイズに加えて、なぜ肉離れになったのかの原因を探り、
より「安心・安全」な状態で競技復帰をしていただくことを目的に運動療法を行っております。
初めての肉離れで不安な方や、
なかなか治らない肉離れの症状でお悩みの方は、
ぜひ一度当院に足を運んでいただけると幸いです。
文章:村松

