アキレス腱炎でお悩みではありませんか?
アキレス腱炎は日常的にスポーツを行う方に多く発生する障害の一つですが、
活動が少なく座りがちな方にも発生が報告されています。
一般人口の約6%は、生涯に少なくとも1回はアキレス腱炎を経験しますが、エリートアスリートの発生率は24%、中長距離ランナーでは52%に上昇するといわれています。
アキレス腱炎とは、
「アキレス腱に繰り返しの機械的ストレスが加わることで、腱繊維の変性・微小損傷・疼痛を特徴とする過使用腱障害である」といわれています。
アキレス腱は比較的長い靱帯組織ですが、
痛みが発生する部位は大まかに2部位であると言われています。
・アキレス腱中部腱障害(踵から約2〜6cm上)*最も一般的
・アキレス腱付着部腱障害(踵骨直上の付着部)

アキレス腱炎の主な症状
・痛み
・発赤、熱感
・こわばり(朝の一歩目で強く感じる)
・腫れ・肥厚
・運動時痛
・筋力低下
・腱のきしみ感 など
●アキレス腱炎に対する治療法
物理療法や運動療法など様々な治療方法がありますが、治療後の再発率は23~43%になると言われています。
運動療法に関しても様々な報告があり、
どの様な種目を、どの様な頻度で、どの様な強度で行えばいいかのコンセンサスを得ていませんでした。
今回はそんな運動療法に対して、最新の「専門家による合意声明」が出たので皆様にご紹介したいと思います。

●アキレス腱中部腱障害
・ふくらはぎの筋肉の収縮の強度
・アキレス腱に張力をかける総合時間
・ふくらはぎの筋肉の収縮の種類
●アキレス腱付着部腱障害
・足関節を反る(背屈)角度
・ふくらはぎの筋肉の収縮の強度
・エクササイズの回数とセット数
上記の様に障害が出ている部位で運動療法で大切になる項目が変わりますが、
どちらにも共通していることは「ふくらはぎの筋肉の収縮強度」です。
アキレス腱炎にたいする運動療法で大切なことは、
障害を受けている腱に負担をかけず、腱に十分な負荷をかける適切な強度(4.5%-6.5%の腱の歪みが出る)をみつけることです。
この適切な強度をみつけることがとても難しく、人それぞれ全く違います。
(最大筋収縮の30%-90%と大きな幅がある)
当院ではこういった運動療法にも積極的に取り組んでいただき、
アキレス腱炎からの早期復帰、再発予防も目指しています。
その他にも、障害が出てしまう原因になる様な動作パターンにたいしても運動介入を行います。
運動療法に自信がある当院で施術をうけてみてはいかがですか?
参考文献
Demangeot Y, et al. Exercise parameters to consider for Achilles tendinopathy: a modified Delphi study with international experts. Br J Sports Med. 2025;59:1337-1349
文章:村松

