股関節回旋腱板についてPRIの観点から考察してみる

前回お伝えした股関節回旋腱板についてPRIの観点から関節の関係性を考察してみようと思います。

前回の内容はこちら
「股関節にも肩と同じ様にインナーマッスルが存在する!?」

まず股関節腱板は、
小臀筋、腸骨筋、内・外閉鎖筋と関節包から構成され、
筋膜や腱が螺旋状に関節包に付着し大腿骨頭を求心位に保つ働きがあるとされています。
求心位に保つことで中臀筋や大臀筋など、関節を動かす大きな筋肉の力が働いても股関節を安定させることができると考えられています。

つまり多くの人は右脚重心で生活することが多く、それに付随したパターンをしているということです。

左骨盤が前傾・前方回旋すると、骨盤全体としては右方向(右回旋)を向くこことなります。
そうなると、骨盤と関節を構成する大腿骨にも捻りが生じます。

人によって身体の使い方に好みや、生活習慣が違うので全員が同じパターンを呈するわけではありませんが、多くの人が骨盤の右回旋に伴って左大腿骨の内旋、右股関節の外旋が同時に出現するといわれています。

これは骨盤の振る舞いに大腿骨がついていっただけなので、この状態だけでは問題は起きにくいとされています。

しかし、そこに本来起るはずのない「捻り返し」例えば左大腿骨の外旋や右大腿骨の内旋が起きてしまうと関節などに問題が生じやすくなってしまいます。

L AICパターンでは、右大腿骨の捻り返し(内旋)が多く発生しやすいとされています。
さらに右重心で生活していることもあって特に右股関節の問題を生じやすいとされています。

ここでは、股関節腱板の働きを基に、なぜ右股関節に痛みが出るのかを考察してみたいと思います。

L AICパターンで例えると、骨盤は右回旋しているので、一般的に骨盤は後傾・後方回旋位にあることが多いです。
この状態だと大腿骨は相対的に伸展、内転位を呈していることになります。それに加えてL AICパターンに多い右大腿骨内旋代償が加わると、股関節腱板の筋群はすべて伸長された状態になってしまいます。
伸張されると股関節腱板の収縮能力が低下し、大腿骨頭の求心力が低下してしまうことが予想できます。

最終的に求心力が低下した股関節は不安定となり障害(痛みなど)に繋がってしまうかもしれません。

このようにPRIサイエンスから考えてみても本研究は右股関節に障害が出てしまう要因を考察するのにすごく相性の良い研究だと感じました。
今回は右股関節の考察だけでしたが、左股関節でもいろいろと創造が膨らむ研究ではないでしょうか。


このような解剖学的知識も背景に臨床に励むことで、皆様の身体の不調改善のお手伝いができると幸いです。

文章:加藤

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