風船で横隔膜を鍛える?
これまで様々の研究をもとに呼吸の大切さを言及してきました。
読者のみなさんも、なんとなく呼吸って大切だなと感じていただけましたか?
呼吸筋の中でも核となる筋肉の一つに横隔膜がありましたよね?
今回はそんな横隔膜の活動を最適化するための一例を下記の研究をもとに、みなさんにお伝えしたいと思います。

横隔膜は胸骨と第7−12肋骨に付着し、全体的な形状はドーム状です。
右半横隔膜は第1–3腰椎に付着し、左半横隔膜は第1−2腰椎に付着します。
下の図のように横隔膜が適切なドーム形状(zone of apposition)を維持することで横隔膜の活動が最適化されると考えられています。

ZOAが最適でない場合、
・横隔膜圧が低下するため、非効率な呼吸(空気の出入りが少ない)
・呼吸と腰椎の安定化の両方に重要な腹横筋の活性化が減少
というような悪影響も確認されています。
●エクササイズの実践
片手で風船を持ち、舌を口蓋にあてて鼻から息を吸い込み、口から風船に息を吐き出す。
理想的には歯や唇、または指先で風船をつまむことなく再び息を吸うことが求められます。(舌を口蓋に当て、風船から空気が逆流することを防ぐ)
膨らんだ風船に対して息を吐き続けることは、腹部の筋肉の活性化をより必要とするため、
腹部が横隔膜に対して理想的なZOAを維持する可能性があります。

※風船エクササイズはクライアントが最適な姿勢と呼吸、すなわち横隔膜(ZOA)と脊椎の位置と神経運動制御を達成支援することを目的とした運動です。しかし、風船エクササイズの研究は多くはありません。
風船エクササイズの効果の実証については今後の研究に期待ですね!
当院の運動療法では、評価の結果から必要と感じた場合は風船エクササイズを処方しております。
身体の不調を改善させて、日常生活やスポーツ活動の充実させてみませんか?
文章:村松

