その腕の痛み、胸郭出口症候群かもしれません

胸郭出口症候群(TOS)は、頚椎と上肢の間に発生する腕神経叢、鎖骨下動脈または静脈、腋窩動脈または静脈に対する圧迫と定義されています。

Greg et al., 2024, p.684 より引用

野球選手(特に投手)、重量挙げ選手、水泳選手などのオーバーヘッドアスリートにTOSの発生率が高いとされていますが、美容師や組み立てライン作業員、レジ操作員、コンピューター利用者やミュージシャンなど多くの職業でTOSの発生が報告されています。

TOSの症状

TOSの症状は神経性と血管性に分かれます。

神経性TOSの症状には、安静時の首、肩、腕の痛み、感覚異常、夜間痛、脱力、後頭部頭痛が報告されています。

静脈性TOSの症状には、首、肩、腕の痛み、腕全体の浮腫、主観的な腕の重さが報告されています。

動脈性TOSの症状には、指や手の異常感覚、上肢の冷感が報告されています。

各症状別の有病率は、神経因性TOSが約95%、静脈性TOSが約3%、動脈性TOSが1%といわれています。

TOSのリハビリテーション

TOSリハビリテーションの目標は胸郭出口領域全体にわたるひっぱり荷重、圧縮荷重、またはその両方を制限することです。
そして、制限の基礎は肩甲骨付着筋の機能を正常化することです。

肩甲骨の制御を向上させるために主に必要な筋肉は、僧帽筋中部・下部繊維、前鋸筋が重要となります。
これらの筋肉が互いに連動して働くことで肩甲骨の位置や機能が改善し、胸郭出口対する荷重負荷が軽減すると考えられます。

まとめ

今回は首から腕にかけての痛みの原因のひとつの可能性として胸郭出口症候群をご紹介しました。

もちろん痛みの原因はこれだけではないので、いろんな検査法をもちいて鑑別する必要があります。

TOSのリハビリテーションにもいろいろ種類がありますが、ご紹介した論文で推奨されている方法が運動療法でした。
しかし、姿勢や呼吸、動作パターンなどもTOSに大いに影響すると考えられます。
当施設では肩甲骨付着筋だけでなく影響するであろう全ての部分に対してアプローチを行っていきます。

首から腕にかけての痛みでお悩みのかたは
当院を受診してみてはいかがでしょうか。

参考文献
Hock G , Johnson A, Barber P, Papa C. Current Clinical Concepts: Rehabilitation of Thoracic Outlet Syndrome. Journal of Athletic Training. 2024;59(7):683-695

文章:村松

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