足関節捻挫からの復帰基準とは?
スポーツの怪我で最も多い怪我は足関節捻挫です。
しかし、意外と軽視されている怪我でもあると思います。
なぜかというと、痛みが引いたり問題なく歩けるようになるとすぐに競技復帰してしまうことが多いからです。
でも実際は、痛みが引いても損傷した靱帯がまだ完全に治癒していなかったり、筋力やバランス能力が低下した状態で復帰していることが多く感じます。
そのような状態で競技復帰してしまうと、再損傷するリスクが高くなってしまいます。
当院に受診する患者様にも捻挫は初めてではなく、何度も繰り返しているという患者様が多く来院します。
そのような方に聞いてみると、しっかりとした復帰基準はなく痛みや腫れが引いたら復帰したという方がほとんどでした。
当院では再損傷のリスクを最小限に留めると共に、怪我前よりも良い状態で復帰してただくことを目的に
復帰基準として『Ankle-Go』を採用しています。
Ankle-Goは
●片足立ち
●mSEBT(バランステスト)
●サイドホップテスト
●8の字テスト
●質問票
上記5つの内容から構成されており、それぞれ採点されます。
すべてのテストが満点だと25点になります。
受傷後2ヶ月の時点でAnkle-goスコアが8点以上あると、4ヶ月後は怪我前と同じ状態かそれ以上の状態で復帰することが出来ると予測できるとのことでした。
逆に言うと、8点未満だと競技復帰は難しいということです。
もちろん競技復帰するにあたって他の要素も必要になりますし、Ankle-Goだけですべて評価することはできません。
しかし、主観的に復帰するよりも安全に復帰できることは間違いないかと考えられます。
参考文献
Picot B et al. Development and Validation of the Ankle-GO Score for Discriminating and Predicting Return-to-Sport Outcomes After Lateral Ankle Sprain. Sports Health 2023 Jul 11 ;16(1):47–57.
文章:村松

