交通事故後のケガ
内閣府の報告によると交通事故は平成30年で約43万件発生しており、ケガを負ってしまった人は約53万人にのぼります。明日は自分が事故に遭い、大きなケガを負ってしまう確率は決して低くはありません。今回は交通事故で発生しやすいケガの症状と注意点についてお話します。
交通事故はとても大きな衝撃力が体にかかります。そのため、首や脳などの軟弱な部分はダメージを負いやすいです。しかし、首や脳は生命活動に欠かせない大事な部分なので、適切な処置が必要です。大した症状が出ていなくても、気づかぬうちに大きなケガを負っているケースもあるので注意してください。
もし脳にダメージを負うとどうなるのでしょうか?
脳震盪と言って脳の組織が強く揺さぶられることで、様々な機能障害が発生します。頭痛・吐き気・頭がぼーっとする・眠れない・事故の記憶が曖昧といったことがあれば、脳にダメージを負っている可能性があります。そして注意していただきたいのが、一度脳震盪を起こした人が短期間のうちに再度脳震盪を起こすような強い衝撃が加わると、とても危険です!「セカンドインパクト症候群」という状態になり、脳の組織が急激に膨張してしまいます。そして意識不明や昏睡状態となり、最終的に死亡してしまうケースが多いです。
脳震盪が起きるような事故に遭ってしまったら、たとえ症状が軽くても病院に必ず行って検査を受けましょう。
そして交通事故によるケガで特に多く発生するのが首のケガです。運転中はシートにより体が固定されているので、事故の瞬間は頭部が大きく揺さぶられ、頚椎という首の骨やその周辺の神経にダメージが入ります。いわゆる「むちうち」という状態です。痛み・しびれ・頭痛・首まわりの重だるさなどが主な症状として自覚します。すぐに回復する人もいれば、3ヶ月以上経過しても症状が残る人もいます。特に神経組織が損傷した場合は回復にかなり時間がかかるので、場合によっては一生しびれや違和感を背負うこともあります。
首や脳の症状は事故後すぐに感じることが少ないです。無症状だから病院行かなくてもいいやと思っていると、急に痛みが出ることもあります。小さい事故でも、必ず病院へ行きましょう!